[トップ] [手作り石けんの特徴] [作り方] [手作り事始め] [注釈] [試行錯誤]

手作り サラダ油石けん 注釈



参考文献

お風呂の楽しみ  著者 前田京子  発行所 飛鳥新社 ISBN4-87031-378-2
良い石けんの作り方が、情熱込めて、分かりやすく書かれています。オリーブ石けんが中心。おすすめ。

やさしくできる手作り石けん入門  著者 アン・ブラムソン 訳者 常任明子・山谷友子  発行所 合同出版 ISBN4-7726-0230-5
牛脂石けんが中心。日本で牛脂石けんを手作りするというのは、材料的にも今ひとつ手近とは言えないかも。(温度管理もむつかしそうだし)しかし、植物油石けんもカバーして基本が分かる。

石けん屋さんが書いた石けんの本  著者 三木春逸 三木晴雄 発行所 三水社  ISBN4-915607-60-7
著者はミヨシ油脂(株)、玉の肌石けん(株)の経営陣。石けんの始まりから未来まで、実に分かりやすく、熱意を込めて、良く書かれている。おすすめ。
洗濯機での石けんの使い方のヒントとか、ベビーソープが良くないんじゃないか、とか。工場での石けんの作り方も書いてありますが、家庭での作り方は書いてありません。手作り石けんが広がると石けん屋さんが困るかな、と少し心配。

イラスト版手作り石けんのすべて  著者 河辺昌子 発行 合同出版 ISBN4-7726-0159-6
いわゆるプリン石けんについての本。加熱して、水を加えていくタイプ。非加熱式はあまり良くない、という考え。
しかし、プリン石けんについては私の体験としてうまくいったことがないので・・・。


参考リンク

廃てんぷら油石けん(杉原和男(京都パスカル))
http://web.kyoto-inet.or.jp/people/sugicom/kazuo/neta/bake13.html
学校の先生のページみたいです。PHの経時変化とか、化学反応式とか、本格的ですね。
その結論は、

>石けんの手作り講座が,環境教育や理科教育として
>実施されるのは納得できます。しかし,家庭や地域で
>の日常的な活動として位置づけるには危険が大きく,
>効率的なリサイクル活動とはいえません。少なくとも,
>ある程度の専門知識を持った指導者が細心の注意を
>し,実験室のようなところで啓発事業として実施すべき
>です。品質のよい石けん作りが難しいことも理由の一つ
>です。
> 私は,石けん用途としての廃油の処理は,石けん業者
>らと連携して行うべきだと思います。つまり,回収した廃
>油を工場で加水分解して脂肪酸を作り,この脂肪酸を用
>いた石けん作りを地域全体でリサイクルシステムとして
>位置付けるべきです。


というものです。参考にしてください。
ただ私の実感からしますと、
・最後の工程である切り分け、乾燥による熟成によって、顔・体洗いに十分使える品質になる
・苛性ソーダの溶解はステンレスボールを使うと比較的安全

だと思います。
みなさん、安全第一で、いろいろ試しながら、各自の責任で判断してください。
その結果については、当会はいっさい責任を負いませんので、悪しからず。

家庭で使いふるした天プラ油から洗剤ができます
http://hccweb1.bai.ne.jp/hakusenhime/soap/soap.htm
当会の非加熱式とは違い、加熱式、さし湯とかくはんによる石けん作りです。

>いわゆる「主婦湿疹」に悩まされていましたが、食器
>洗い用に、この石けんを自分で作るようになってから、
>手の荒れがほとんどなくなりました。熱湯を足して
>いって、8リットルにして使っています。この石けんは
>暑い季節の方がよく出来ますので、毎夏2缶(1年分)
>作ります


というようなものです。これ、私の体験では、結構大変な割には、うまくいかないし、品質が良くないと思うんですが。しかし、夏に強いということでは、当会の非加熱式と対照的ですね。


その他の注釈

苛性ソーダ

別名水酸化ナトリウム。分子式NaOH。
水中の塩素(Cl)と反応して、食塩(NaCl)ができます。蒸留水に限るという意見もありますが、まあ、あまり気にすることないと思います、水道水で問題ありません。
フレーク上のものが薬局で売られています。買うには認め印が必要です。
強アルカリで皮膚を痛めます。目や口など粘膜に絶対ふれないように注意してください。手に触れたら流水で良く洗って、酢で中和すると良いようです。
ガラスやステンレスの容器に水を入れ、その中に苛性ソーダを注ぎ、ガラス棒や長いスプーンなどでかき混ぜながら溶かします。このとき、温度が高くなり、苛性ソーダを含む蒸気がでて、喉や目を痛めるので、良く換気してください。濡れタオルでマスクするのはよい方法です。眼鏡を持っている人は目を保護するためにかけてください。容器を水浴して冷ましながら溶かすという方法もあります。
水に苛性ソーダを全量注ぎ入れて、さっと混ぜた後しばらく部屋から逃げるのも一手でしょう。ただ、これは苛性ソーダが底にこびりついてしまい、完全に溶けるまで時間はかかります。
水と苛性ソーダの割合が苛性ソーダがやっと溶けるくらいなので、冷ましすぎると(特に冬)苛性ソーダが水中に再結晶してきらきら光るのが見えます。これは良くないので、人肌くらいに暖めて完全に溶かしてください。
しかし、熱すぎると今度は石けんが固まりにくくなって、良くないので、室温くらいに冷ましてください。
石けん作りではこの苛性ソーダの溶解が一番危険で、不快なので十分注意しましょう。特に子供やペットに注意!

苛性ソーダの保管について

苛性ソーダは空気中の水分を吸いやすいという性質があります。残ったものを、容器にふたをして保存しておくだけでは、これを防げません。次に使おうと思ったら湿気ていた、水溶液になっていた、最悪の場合溢れていて、床がひどいことになっていた、ということにもなります。この時、この水溶液は、強アルカリなので、極めて危険ですので、扱いに気を付けてください。
そういうことにならないためには、
・買いだめしないで、必要分を1瓶づつ買う
・残ったら、容器のふたをしっかり閉め、最初の状態を参考にして、ふたと本体の間をセロテープなどでぐるぐると巻いて、しっかり押さえ、さらに、ポリ袋を二重にして包んでおく (これで万全ということではないので、早めに使ってください)
とよいでしょう。

廃油

もちろん食用油の廃油。具体的には使いさしの天ぷら油。菜種油が中心です。天ぷらの材料からでてくるエキスが何か有用な役割を果たすような気がしますが、どなたか教えていただければいいのですが。
天ぷら用としては少々傷んでいても、石けん用としては問題ないようです。むしろ古くて、傷んだ油の方が失敗が少ないようです。
石けんにオリーブ油以外の例えばココナツオイルを使うと、一夏越した時、ココナツオイルが酸化した匂いがしてきます。しかし天ぷら廃油ではそういうことはありませんでした。オリーブ油と同じオレイン酸が主成分なので、丈夫です。

オリーブ油

オレイン酸(とグリセリンのエステル)を多く含みます。オレイン酸は酸化されにくいのが特徴で、石けんに適していると言われています。オリーブ油は、夏、日焼けから皮膚を守るために肌に塗ったりするほどです。天ぷら用のサラダ油も、オリーブ油ほどではありませんが、オレイン酸を豊富に含んでいます。
普通の市販されている石けんでは牛脂が多く使われている、という話を聞きます。牛脂は泡立ちがよいようですが、肌にはいろいろ問題もありそうです。
牛脂に比べるとサラダ油石けんは充分ぜいたくな石けんということになりますが、オリーブ油石けんとなると、超贅沢品?

グリセリン

分子式CH2OH-CHOH-CH2OH。
植物油は化学的にいうと、カルボン酸(脂肪酸)とグリセリンのエステルです。これを水酸化ナトリウムで加水分解(鹸化)してやると、カルボン酸ナトリウムとグリセリンになります。カルボン酸ナトリウムが洗浄剤の役割をします。
グリセリンは保護クリームや化粧品に保湿剤として使われています。肌を保護する効能で、グリセリンは薬局で市販されています。この有用なグリセリンをわざわざ分離して、取り除いたものがいわゆる化粧石けんです。手間暇かけて分離して、手荒れ防止にまたグリセリン入りのクリームを塗る、これは少し変?
水とグリセリンは溶け合いますが、グリセリンとワセリン、またはグリセリンとオイルは溶け合いません。グリセリン入りのクリームというものには界面活性剤が入っているのではないかと心配になり、グリセリンそのものをクリーム代わりに使っています。結構いけるような気がしています。(今は(2001.7)さらに進化して、グリセリンと尿素、クエン酸から作る美肌水を愛用しています。快調ですね。
石けんの副産物であるこのグリセリンから、ニトログリセリンが作られます。狭心症の薬でもありますが、爆薬の原料でもあります。サラダ油を食べて、体の中で爆発するということは、ないですね。

カルボン酸(脂肪酸とも)

オレイン酸(C17H33COOH)リノール酸(C17H31COOH)など。グリセリン(CH2OH-CHOH-CH2OH)と脱水結合して植物油になったりします。

リンス

石けんは中性ではなく、弱アルカリ性ですので、髪を洗ったときは弱酸性リンスで中和してやった方がいいですね。
食品添加物であるクエン酸を水に溶かすと、良い弱酸性リンスが作れます。薬屋さんで、1キロ入りのものを2千円くらいで売っている所もあります。小さな容器に、クエン酸をたっぷり(かさにして1割くらい)入れて、水を加えてとかします。水を9割方入れても、なかなか溶けません。一晩置くと溶けます。もし溶けなかったらクエン酸が多すぎたのです。さらに水を加えてください。石けんで髪を洗った後、この濃いクエン酸水溶液を少し手に取り、髪全体になじませます。よくマッサージしましょう。マッサージしてしていて顔に流れてくるお湯が酸っぱく感じれば、石けんのアルカリが中和されて、弱酸性になっています。最後に、お湯ですすぎます。(お湯に薄めて使うやり方ではうまくないようです) 贅沢に使えて、安全です。

市販品では、太陽油脂株式会社(横浜市神奈川区守屋町2−7 電話045−441−4953)の「パックスナチュロンリンス」とか。

鹸化・鹸化価(けんか・けんかか)

植物油は化学的にいうと、カルボン酸とグリセリンのエステルです。これを水酸化ナトリウムで加水分解してやると、植物油分子1つが3つのカルボン酸ナトリウムと1つのグリセリンになります。これを鹸化といいます。
油脂1000gを完全に石けんとグリセリンにするため(鹸化率100%)に必要な水酸化カリウムのグラム数を鹸化価といいます。油脂の種類にもよりますが、大体195程度です。
これを苛性ソーダのグラム数に換算するには0.7をかけます。鹸化率100%には苛性ソーダが140gくらい必要ということになります。鹸化率100%をこえる苛性ソーダは加えない方がよいでしょう。
100%だと泡立ちが良くサッパリした洗い上がりになります。
100%以下で油脂分を少し残すようにすると、泡立ちは少し悪くなりますが、さらにしっとりとした洗い上がりになります。しかし、風呂の湿気で石けんが溶けやすくなりますので、使用後、乾燥した風通しのよい場所に移したりする必要があります。
90%から100%の間でお好みの割合を見つけてください。(100%を超えても問題がないか、ただ今研究中)

牛乳パックの効用

とりあえず、石けんの型にとどまらず、牛乳パックにはお勧めに値する効用がありそうです。
それは、上の面を除いて石けんをくるんでいるので、(熟成中に徐々に)石けんになる前の(未反応の)油を酸素による変質から守ることです。だからといって、例えばポリ袋にまだ柔らかい石けん原料を入れて保存しても、そのまま固まらず、石けんになりません。五方をパックに守られながら、上方から水分が徐々に飛び、反応が進んでいく、という状態が、良い石けんを作るのです。
長い時間をかけて、牛乳パックの中で熟成した石けんは、切り出して放置しておいても、油が酸素焼けして臭くなる、ということがありません。

牛乳パックのうまい切り開き方


熟成期間は最低一月以上。なるべく多く(一年以上でも)取ってください。熟成は牛乳パックに入ったままにしておいた方がよいようです。使い始める少し前にパックを切り開き、石けんを適当な大きさに切り分けてください。

<新方式(簡単で、安全になりました)>

手頃な幅で、パックごと輪切りにします。輪切りにしたまま放置しておくと、石けんが乾燥して縮んでくるので、パックと石けんの間に隙間ができます。そこにハサミかカッターを入れて切ると、簡単にパックがはずれます。

<旧方式>

牛乳パックの縦の角(辺)を一本、底の正方形の角(辺)を3本、カッターで切り込んでめくっていきます。牛乳パックのメーカーによって、はがれやすいものと、はがれにくいものとがあります。
きれいにめくれたら、使いやすい大きさに切って下さい。
長く置けばそれだけ熟成が進んで、よりはがしやすくなります。
最初の寝かせの間に表面に結晶や液体ができることがあります。分離した苛性ソーダや炭酸ナトリウム(苛性ソーダが空気中の炭酸ガスと結合してできる)の結晶と、アルカリ・グリセリン水溶液と思われます。これは水を入れて表面を洗ってやるととれます。





弱酸性美肌水

今、ネットでも評判の手作り化粧水の当会による改良版。
水200ccに、尿素(DIY店などで売っている肥料)50g、これを好みに応じて(1倍から10倍)薄めます。それにグリセリン(しっとりからサラサラまで、季節、好みに応じて尿素水と同量から5%くらいまでの範囲で)とクエン酸(尿素水に対して5%くらい)、を加えてよく混ぜます。風呂上がりや洗顔後、食器洗いの後に顔、手に、(カサカサが気になれば身体にも)塗ります。
美肌水は中性ですが、食品添加物であるクエン酸を加えると、弱酸性美肌水となります。弱アルカリ性である石けんを使った後には、この弱酸性美肌水がお勧めです。尿素には角質を柔らかくする働きがあるようです。
肌がしっとりしてきて、快調です。界面活性剤入りの化粧水やクリームにさよならして、アレルギー性の障害(赤み、ガサガサなど、、、)が消えたケースもあるようです。
しかし、人それぞれ。体質によっては合わない場合もあると思いますので、十分注意しながらちょっとずつ、試してみてください。


手作り サラダ油石けん普及会