ある時ふとしたことから、クエン酸をすすぎの最後に入れてすすぎをしたら、肌着もタオルもすっかり柔らかくなって驚きました。靴下の微妙な臭い残りも、完全になくなりました。
その後もクエン酸すすぎを続けていると、肌着の襟汚れがすっかり取れてきて、なくなってしまいました。この肌着の襟汚れを何とかしたい、ということで、今まで、アルカリ洗濯に合成洗剤を少し加えたり、過炭酸ナトリウムを加えたりしてきたのでした。クエン酸で、そういうことが不要になったのです。
はてな? クエン酸の驚くべき働き=防臭(体臭にも)
実は、(悩んでいる方も多かろうと思いますので、書いてしまいます) 私は足、靴下の臭いに、密かに悩んできました。靴の消臭剤とか、足の臭いを消すステンレスソープ(石けんではなく、ステンレス製で中空の丸いもの)とか、足ブラシとかも試したものです。いろいろやっても、かすかに残ってしまいます。脱ぐ時の靴下の臭いには情けない思いがしてしまいます。それが、ふと思って、クエン酸水に洗濯したばかりの靴下を、しばらく浸けてみました。
驚くべし、靴下が今までは、洗濯しても鼻に近づけて嗅ぐと、かすかに臭っていたのに、クエン酸につけて乾かした靴下からは、臭いは完全になくなっていました。
靴下(足)の臭い菌が、酸性には弱くて、死滅してしまったせいかな、と思いました。または、臭いが酸に溶けやすいということでしょうか。ついでに、クエン酸水を足裏、指の間に塗り付けて、マッサージするようにしたら、足の臭い自体が、だんだんなくなってきました。足臭菌は酸性に弱い、ということは言えそうです。
ついでとばかりに、体の臭いが気になる部分に、クエン酸水をすりこんでマッサージするようにしてみました。もともと体臭が強い方ではないと自認していますが、そのかすかな臭いも、分からないくらいになってしまったのです。
靴下については、このように、臭い菌が酸性に弱い、臭いが酸性で流れやすい、ということで説明がつくのですが、ゴワゴワ、襟汚れについては、これでは説明できません。
クエン酸すすぎが、なぜこのような、すごい効果があるのか、考えてみました。
クエン酸すすぎは、すすぎ後にまだ酸っぱさが残るように
クエン酸すすぎというと、洗濯機にスプーン1杯くらいが世間の相場のように思います。
しかし、そのような微量だと、何のために入れているのか、分からないくらいです。
洗剤というと、アルカリ洗濯を持ち出すまでもなく、洗剤、石けんは、たいてい弱アルカリ性です。仮に充分すすいだとしても、最後のすすぎ水は、水道水よりも(これ自体たいていはpH8前後の弱アルカリ性です)さらにアルカリ性に振れることになります。
スプーン1杯程度のクエン酸では、弱アルカリ性のすすぎ水をせいぜい、も少し中性(pH7)に少し近づけるのがやっとでしょう。試しに、スプーン1杯のクエン酸を入れてすすいだ最後に、水を指につけて、なめてみてください。酸っぱさは全くないと思います。これでは、酸性による効果はありえません。
クエン酸の効果を出すためには、普通に洗濯してから、すすぎの最後にクエン酸を入れますが、すすぎが終わった時にすすぎ水に酸っぱさが少し残っているくらい入れます。クエン酸の量としては、1回あたり、20~30gでしょうか。
これで、pHは6前後になると思われます。これは弱酸性ですから、肌に害を与えることは、まずありません。肌は一般的におよそpH4.5~6.5で、弱酸性に保たれているのが正常だと言われています。脱水して残ったクエン酸が、乾燥して濃縮されるとしても、絶対量が極微量ですので、汗などで肌に溶け出したとしても、問題のない範囲です。
でも、人それぞれですので、まずは洗濯物も、クエン酸も、少しずつ試してみることをおすすめします。クエン酸の量としては、1回あたり、20~30gでしょうか。
素材や染料によっては、色落ちとかもあるかもしれませんので、最初は、肌着、普段着に限る方が良いと思います。これも、少量ずつ試してみることをおすすめします。
このようなクエン酸すすぎで、臭い残り、ゴワゴワ、汚れ残りがなくなってくるのです。
(1回30g使うとすると、1kgで1月分になり、結構高くつきます。大袋で買うと、もっと安く買えます。)
クエン酸で水垢を除去できる
クエン酸、といえば、真っ先に思いつくのは、風呂の鏡などの水垢が除去できる、ということです。クエン酸すすぎの効果も、水垢と関係するように思えます。
水垢とは、水道水中の炭酸カルシウムをはじめとする金属塩が、乾燥し固結したものです。ただ固結・結晶するのではなく、何かにこびりつきながら結晶してしまうのです。炭酸ナトリウムでの洗濯の時にはよく分かりますが、炭酸ナトリウムを入れた後、水が濁ることがあります。これも水道水中の金属塩が結晶したためですが、濁りだと、流せばきれいになります。しかし、こびりついた水垢は、簡単には取れません。
水垢といえば、風呂の鏡以外に、ヤカン、電気ポットといった所ですが、水がかかって蒸発する所には水垢ができやすいものです。流し台、お風呂、トイレ、洗面台、風呂や台所のシャワーヘッド、コップ、計量カップなどなど。
こうしたものには、クエン酸と少量の水で、拭いたり、こすったりするときれいになり、ツルツルしてくるのです。シャワーは、きれいに流れるようになります。
流し台の凹み(シンク)の汚れも取れにくいものですが、原因の一つにシンクにこびりついている水垢があります。洗っても残るシンク表面の模様が鏡のウロコと同じ水垢なのです。
クレンザーだけでは、取れているようで、実は結構残っています。クレンザーでできた傷は、水垢が生まれる、絶好の場所ともなります。
クエン酸とクレンザーを混ぜて、いつものように洗ってみてください。水垢が取れてスッキリ、ツルツル、汚れにくい、きれいになりやすいシンクになります。その後は、スポンジやブラシを使って、台所洗剤+クエン酸で、驚くほどピカピカするようになります。掃除も簡単になります。クレンザーを使わないで済むので、ステンレスが傷ついたり薄くなったりしにくくなります。
髪の毛が、バサバサ・ゴワゴワするのも、水垢が髪の毛に付着するためと思われます。「水がかかって蒸発する所」といえば、真っ先に髪の毛を挙げたいくらいですよね。体はタオルで拭き上げるので、残る水垢はほとんどないでしょうが、髪の毛は1本1本拭いているわけではなく、最後はドライヤーなどで乾かします。しっかり水垢が髪の毛にこびりつくわけです。実際、最後にクエン酸水をかけ、クエン酸水で頭を洗い流すように(その後で水洗いしないということ)したら、柔らかい髪の毛になってきました。(クエン酸の他の効用はまた別記事でまとめたいと思っています)
衣類も、こうして、クエン酸でツルツルしてくるのでしょうか?
水垢は衣類にも付く
実は、衣類にも水垢がつくのです。弱アルカリ性の環境で、濡らす、乾かすを繰り返しているのですから。
衣類にこびりついている水垢が、肌触りをゴワゴワさせ、また、汚れが着きやすく、取れにくくさせているのだと思われます。
流し台だとよく分かります。普通に洗っても取れない白っぽい汚れ(水垢)の上には、いろいろな汚れやカビがつきやすくなります。これをクエン酸で取り除くと、汚れ自体も付きにくくなります。
濡れて乾く所=布には水垢が付く
水がかかって蒸発するといえば、まず真っ先に挙げられるのが洗濯物ですね。衣類の色や織り目、模様に隠れて見えにくいですが、洗濯の度に、着実に蓄積しているはずです。このザラザラした水垢の上に汚れが付きやすく、付くと取れにくくなります。またゴワゴワした感触の原因にもなるのです。
タオルも衣類も、本来は使い続けていると、織り目や糸が、あるいは繊維の撚りがほぐれてきて、へたるというか、柔らかくなるものです。それが逆に固くなるというのは、表面だけでなく、織り目、繊維1本1本の間、もしかすると繊維の中にも、水垢がこびりついてしまうからです。織り目、繊維の滑りが悪くなります。さらに、ザラザラした水垢に付いた汚れは、簡単には取れなくなります。
漂白剤や柔軟剤の前に、まず水垢を除去する必要があるのでした。
クエン酸すすぎを始めると、今までいつも、pH7以上のアルカリ性環境で、洗濯からすすぎ、乾燥までやってきた衣類、洗濯機から、溜まりに溜まった水垢が、クエン酸で溶け出します。ですから、特に最初は「こんなにたくさんクエン酸を入れたのに、全然酸っぱくならない」と、びっくりするはずです。
洗濯機もきれいになるので要注意
クエン酸すすぎで衣類から溶け出る水垢は、すすぎ水と共に流してしまえば問題ないのですが、洗濯機から溶け出る水垢は、蓄積した洗濯機の汚れもはがしますので、大量の汚れが浮いて衣類に付く可能性があります。
ですから、このクエン酸すすぎは、2槽式の洗濯機限定です。
全自動洗濯機は、見えない部分に大変な汚れが着いているものです。たいていの洗濯機洗浄剤はアルカリ性ですので、カビなどは取れても、水垢は残ります。その水垢のザラザラの上に、いろいろな汚れがこびりつきやすくなるのです。柔軟剤を使っていると、水垢のザラザラの上に、柔軟剤がべっとり着いて、悲惨なことになります。
もし、全自動洗濯機でクエン酸すすぎをするとすれば、大量のクエン酸を使って(あるいは2度3度繰り返して。最後の段階で、しっかり酸っぱいように)、洗濯機洗浄をやりきってから後のこととなるでしょう。
クエン酸すすぎを続けていますと、(2槽式のことですが)洗濯機も、だんだん汚れにくくなります。pHは6程度ですから、洗濯機を錆びさせる心配は、クエン酸を使わない時とそう変わりません。
吸盤式のクズ取りネットを使っていて、吸盤が外れやすくなって困る、という経験をしている方は多いと思います。これも、吸盤や洗濯機に水垢がついて、空気が入りやすくなるからなのです。クエン酸すすぎをしていると、吸盤はいつまでも快調です。
もし、同じ酸だからといって、クエン酸の代わりに塩酸を使うとすると(使わないでくださいね!)、塩素イオンはステンレスも錆びさせる力があります。塩素イオンを含む、塩酸や食塩(海岸地域で錆びやすい原因)は、サビを呼びますので、気をつけましょう。
汚れにくい、柔らかい衣類になってくる
クエン酸すすぎを続けていますと、水垢が、クエン酸によって溶けてだんだん減ってきます。すると、ゴワゴワが減り、柔らかくなってきます。ザラザラの水垢にこびりついていた汚れも、取れてきます。
一度のすすぎで、今まで溜まった水垢が、すべてなくなるわけではありません。洗濯=クエン酸すすぎを重ねるごとに、ザラザラのない、元の繊維のフワフワ・さらさら状態に近づいてきますから、汚れが着きにくく、取れやすくなります。水垢は、布の表面だけでなく、1本1本の繊維にも、こびりついていますから、洗濯の度に、衣類の状態が良くなる、という具合に、変化は徐々に進みます。
しかも、うれしいことに、ゴワゴワしていて、折ったり動かしたりする度に、余計な力が加わっていた衣類(いわば煎餅)が、フワフワ・さらさらになって、力が抜けるようになります(いわばハンペン)から、衣類が傷みにくく、長持ちするようになるのです。
ただ、洗濯機については、クエン酸すすぎをしていても、酸に強い微生物による、例えば、黒くなる汚れがつくことがあります。でも、水垢がなく、ツルツルに戻っているので、ブラシなどで簡単に除去できます。通常は、弱アルカリ性で洗濯、弱酸性ですすぎ、その上、取り付く島(水垢)も無し、となりますので、微生物には生活しづらい環境ですので、汚れは付きにくくなります。
クエン酸の使用量は、1回あたり、20~30gにしています。結構かさばります。でも、合成洗剤や粉石けんだけでも同じくらいのかさばりになります。クエン酸のおかげで、炭酸ナトリウムや洗剤の使用量が減り(とりあえず半減中)、弱アルカリ性を中和(排水全体として)くれるのですから、問題はないのでは、と思っています。また、合成洗剤や石けんに比べて、はるかに小さい分子なので、分解されやすいと思います。
軟水器を使う?
水道水の水垢=金属塩が洗濯の邪魔をするなら、洗濯の前に水垢の元となる金属イオンを取り除くために、「軟水器」を使うのも一つの方法かもしれません。が、少し調べてみると、高いし、手入れも大変そうなのであきらめました。
軟水器が付いているイオン洗浄洗濯機というのもあるようですが、これも手入れが大変そうです。また、いつまで保つのか? しかも、イオン交換樹脂再生のために、洗濯機の中で塩(食塩)を扱うので、洗濯機や周りのものをさびさせたり、汚したりしないかと心配になります。(もう販売されなくなっているようです)
軟水洗濯では、これ以上水垢は付かないとしても、既にこびりついている水垢は取り除いてくれないでしょう。でも、石けんを使う洗濯には、軟水器は大変誘惑的な器具ですね。
といっても、油汚れや、泥汚れのひどい家庭でない場合は、汗汚れ、垢汚れが中心の家庭では、そもそも石けんも不要です。炭酸ナトリウムで洗濯して、最後にクエン酸ですすぎをすれば、十分にきれいになります。↓の記事をご覧ください。
ワイシャツの襟汚れはやむなしと、諦めていても、肌着の襟汚れにはつらい思いを振り切れませんでした。それがクエン酸すすぎで、肌着に襟汚れが残らなくなりました。ワイシャツの襟も、きれいになってきたように思います。
いやあ、クエン酸で今までの洗濯の悩みが一気に解決、とは驚きでした。
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