千葉県 上総のわらべうた

音遊び

千葉県のわらべうた 上総かずさ編です。

誰でもシンガー・ソングライター!で紹介しましたが、歌は好きだけど、うまく歌えない者にとってはまことにありがたい歌声ソフトがあります。

それを使って、地元千葉県のわらべうたを、紹介していきたいと思います。楽しい歌がたくさんあります。

千葉のわらべ歌(日本わらべ歌全集6下)から

千葉のわらべ歌(日本わらべ歌全集6下)には、たくさんの千葉県のわらべうたが採集されています。房総編に続いて、上総編を取り上げたいと思います。上総のわらべうたは多く収録してありますので、最初は少しでも、だんだん増やしていきたいと思います。

楽譜を自分で歌うとなると、大変ですが、歌声ソフトだとマウスでクリックして行くだけで、音程もリズムも間違いのない歌に、いきなり仕上がるので、楽しくなってしまいます。

地名については、本(1981年発行)のままとしました。

みみずが三びき

みみずが三びき <絵かき歌> (市原市)

みみずが三びきはってきて
朝飯 昼飯 晩の飯
雨がジャージャー降ってきて
あられがポツポツ降ってきて
おっとたまげた蛸入道

試しに描いて見ました。「あられがポツポツ降ってきて」で、たくさんのあられを描こうと思っても、間に合わないですね。「ポツポツ」だと2つだけですから。どうしていたんだろう?

はーりまんよ

はーりまんよ <七夕歌> (東金市)

はーりまんよ 草刈りまんよ
朝寝坊野郎ども 早く起きゃがれ
茅つけどこだ 茂原の宿だ
はーりまんよ 草刈りまんよ

七月七日早朝、マコモで作った七夕馬をかかえて、草刈りに行く時にうたう歌だそうです。「まん」というのは馬のことだと思われます。

七夕にマコモやチガヤで馬や牛を作る風習は千葉県だけでなく、全国各地にあったそうです。(千葉県立房総のむら 平成11・12年度企画展示図録『千葉県の七夕馬―草で作ったウマとウシIII・IV―』より) とりわけ、千葉県では盛んだったようです。この資料には、うれしいことに、東金の七夕馬の写真がのっています。

千葉県立房総のむら 平成11・12年度企画展示図録『千葉県の七夕馬―草で作ったウマとウシIII・IV―』より
大きさは、左の牛が42×14、右の馬が73×45(cm) 結構大きいですね。

手作りで、何かの決まりがあるわけではないので、形や大きさはいろいろで、東金の七夕馬といえばこれ、というわけではありません。でも、想像する参考になりますね。(上記のリンク先に七夕馬の写真がいろいろのっています)

また、草刈りといっても、草刈りする必要のある場所での草刈りというわけではなく、刈った草を馬・牛の背に乗せたり、帰ってから、草を馬・牛の口にくわえさせたり、また、敷いてその上に馬・牛を飾ったりしたそうです。昔、肥料などのために刈り草を馬で運んだことの名残りかもしれませんね。

正月ぁよいもんだ

正月ぁよいもんだ 〈正月> (市原市)

正月ぁよいもんだ
雪のようなまんま食って
木っ楽んようなもちょ食って
油んような酒飲んで
年頭行ってへたって
銭百もらった

「盆と正月が一緒にきた」という表現もあったような、大変楽しみにしていた時代の正月の歌ですね。

馬いしゃどこへ

馬いしゃどこへ 〈ホジャラ〉 (長生郡長南町)

ホージャラ コジャラ
馬いしゃどこへ つないで
オチャオチャ ドンドン 垣根の下で
いなさまくわえて つないだ

「ホジャラ」というのは、房総で昔行われていた、正月の鳥追い行事のことです。「馬いしゃ」とは「馬医者」ではなくて、「馬牛は」ということだそうです。

正月のことで、いかにも楽しそうですね。

ちゃんぽんぽんの木の下に

ちゃんぽんぽんの木の下に <ねさせ歌> (市原市)

ねんねんころりねんころり
ねんねの子守りはどこへ行った
あの山越えて花取りに
一枝取れば昼になる
二枝三枝みだめにゃ日が暮れた
今夜はどこへ泊まろかな
ちゃんぽんぽんの木の下に泊まろかな
ちゃんぽんぽんの木の下にゃ蜂がいて
蜂に刺されて目が覚めた

「ちゃんぽんぽん」とは、ホタルブクロという草の呼び名だそうです。

ざくろざくろ

ざくろざくろ <手まり歌> (茂原市)

お寺のお庭へ ざくろをまいて
そのざくろ 実のなしざくろ
ざくろ ざくろ つくざくろ
お花はせんさい 実のひとつ
おっ父つぁんのお花が ちょいと咲いて
おっ母さんのお花も ちょいと咲いて
取ろうと思ったら ちょっと落っこった
しーしー 塩なめしょ はーはー 機織りしょ
くりくり 管巻きしょ
井戸のまわりへ つづれはこわれる
水汲み女郎衆は 酔いながら 酔いながら
これで先ずまず ちょうど一貫貸しました

お月さんいくつ

お月さんいくつ <月> (茂原市)

お月さんいくつ 十三七つ まだ年や若い
嫁とったらよかっぺ 婿とったらよかっぺ
あの子を産んで この子を産んで
だれに抱かしょ お万に抱かしょ
お万どこ行った 油買いにお茶買いに
油屋の前で つるりとすべくって転んで
油一升こぼした その油どうした
太郎どんの犬と 次郎どんの犬が
みんななめてしまった
その犬どうした 太鼓に張って
あっち行っちゃ ドンドコドン
こっち行っちゃ ドンドコドン

月を見ながら、幼児に歌って聞かせたり、一緒に歌ったりしたものだそうです。太鼓にされてしまった犬が可愛そうと、子どもは思うのではないかと、心配してしまいますが。

ぎっこうがっこう

ぎっこうがっこう <遊ばせ歌> (市原市)

ぎっこうがっこう
となりのばあさんな
米一升貸してくれ
あしたの晩について
つんもどすべ

歌いながら、幼児の両手をとり、体を前後に揺らして遊ばせる歌だそうです。「ぎっこうがっこう」というのは、手杵で米をつく時の音を表しているそうです。

いちぼちにぼち

いちぼちにぼち <鬼きめ歌> (茂原市)

いちぼちにぼちの ほうじょうし
ひなたのふくろが ぴいちゃあし
のーのーのじくって はやされた

「みんながにぎりこぶしをまるく並べ、一人の子がそれを順につっついて歌の終わりに当たった者はぬける。 同じことを何回もくり返していって最後に残った者が鬼になる。」という場面での歌だそうです。

向こう山見せいな

向こう山見せいな <ホジャラ> (市原市)

ホージャラ ホージャラ ホーホッタ
向こう山見せいな かねんついたかなしりが
三十三羽さんじゅうさば通るぞ 通らば通らっせ
一の枝二の枝 三の枝さくら 五葉松やなぎ
やなぎの下で 穂を一ぽうひろった
だあれに出そか 源次に出そか 源次はいらね
おおうめえもち米だ うまあけりゃ田作れ
田作れば足がよごれる
足がよごれりゃ 川行って洗え
洗えば流れる 流れればよしの木にとっつぁまれ
   (歌はここまで)
とっつぁまれば手ェ切る 手ェ切ればしばれ
しばればうゥむ うゥめばつったぎれ
つったぎればヘェつく ヘェっけば寝てろ
寝てればのみが食う のみが食えば食っつぶせ
食っつぶせば生臭ぇ 生臭ぇば水飲め
水飲めば腹痛え 腹痛えば灸せろ
灸すぇればあァつ あつためん灸だ

「(歌はここまで)」までしか楽譜がありませんので、尻切れになってしまいます。長すぎてページに収まらないために省略されたのだと思われますが、残念です。ストーリーがあって、面白いですね。

「ホジャラ」というのは、房総で昔行われていた、正月の鳥追い行事のことです。

千松さま

千松さま <手まり歌> (茂原市)

おらが隣の千松さまが
寺へやられて手習いさせて
手習いきらいで商売させて
商売きらいでうちまかさせて
二階山から転げ出しおっとって
そらみろどんどん どなたが拾った
おらが隣のお玉が拾った
お玉よこせよ酒盛りしでよ
酒盛りいやいや川下かわもと流せ
川下流せばざくろがつくよ
ざくろざくろ つくざくろ

ちょっかいな

ちょっかいな <手合わせ> (茂原市)

ちょっかいな ちょっかいなと 寝ておいて語る
花が見たけりゃ岩和田いわだへござれ
岩和田長助どんの 花壇場を見れば
うめにさくらに つばきに ぼたん
咲いてからまる しらふじの花

「手合わせ」というのは、勝負のことではなくて、二人が向かい合って(座り)、歌に合わせて、互いの両手を打ったり、自分の手同士を打ったりする遊びです。

「茶摘み」の手合わせですが、こんな感じですね。↓ 「ちょっかいな」でやると、もっと楽しそうですね。親子で、また恋人や友達同士でやると、盛り上がりそうですね。テンポは本では、= 約132 としてあるのですが、速すぎて間に合わない感じもしますので、も少し遅い、= 100 のものも用意してみました。

みなさん、仲良くね。

正月や

正月や <手まり歌> (茂原市)

正月や 障子あければ万歳が 万歳が
鼓の音やら歌の声 サラホイホイ
二月や 人形祭りか墓参り 墓参り
きょうは彼岸のお中日 サラホイホイ
三月や 桜花よりお雛さま お雛さま
飾ってみごとな内裏さま サラホイホイ
四月や 死んでまた来るお釈迦さま お釈迦さま
竹の小柄杓こひしゃくでお茶上がれ サラホイホイ
五月や ごんごしぼりの前掛けを 前掛けを
おばさんにもらってうれしがり サラホイホイ
六月や ろくに七草摘まないで摘まないで
前掛けよごして腹を立て サラホイホイ
七月や 質屋のお蔵は混雑で 混雑で
質を出すやら入れるやら サラホイホイ
八月や 蜂に刺されて泣いてきて泣いてきて 
おばさん薬はないかいな サラホイホイ
九月や 草の中に菊一本 菊一本
方々ほうぼの子供が欲したがる サラホイホイ
十月や重箱下げてどこへ行く どこへ行く
きょうは恵比須講のお使いに サラホイホイ

「彼岸のお中日」は、旧暦では2月でした。4月8日は、釈尊の生誕を祝って行なう灌仏会(花祭り)です。仏像に柄杓で甘茶を掛けたり、参拝者に甘茶がふるまわれたりするそうです。「七草摘まないで」は、田の草取らないで、がなまったものだそうです。「恵比須講」は、陰暦10月20日の恵比須様のお祭りです。

みよの吉原

みよの吉原 <手まり歌> (東金市)

ひい ふう みよの吉原
きざみきざんで たもとがぬれる
向こう見れば
三本柳にすずめが三びきとまって
そのすずめが 鷹に取られて
あちらへちんちん
こちらへちんちん
せんさんまんさん
ちょうど一貫貸し申した

坊さん坊さん

坊さん坊さん <人当て鬼> (東金市)

坊さん坊さん どこ行くの
わたしはたんぼへ 稲刈りに
わたしもいっしょに 連れしゃんせ
お前が来ると じゃまになる
このかんかん坊主 くそ坊主
うしろの正面だあれ 月か闇か

おことわり

本の楽譜を歌声ソフトに移す時、うまく乗らない時には自分なりの変更を加えました。例えば
スラーやスタッカートを加えたりしました。楽譜に歌詞が省略されている場合は、歌詞を適当に割り振ったりしました。
また、同一の曲の中で、4/4拍子の中に部分的に3/4拍子が来る時は、適当なところで休符を入れて4/4拍子にしたところもあります。4/4拍子の中に部分的に1/4拍子が来た時は、隣の4拍を3拍に縮めて合計4拍でまとめたところもあります。
不審に思われた場合は、直接本に当たってください。

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