×布マスク 〇不織布マスク? の迷信

健康

布マスク、いわゆるアベノマスクの件です。役立たずだとおとしめられています。私の好きな布マスクを着けている人は、まったく見かけなくなりました。本当にそうなのでしょうか? 布マスクの愛用者が、その復権を訴えるメッセージです。(ちなみに、今では-2024年-、私はマスクなど着けていませんが)

アベノマスクを希望者に送る、ということで、今年(2022年)1月以来、楽しみに待っていますが、まだ届きません。ニュースによれば、4月1日から、いよいよ発送開始とのことです。1000枚申し込みましたが、個人は100枚までみたいです。

今は、2022/7/3。申込みからは半年、発送開始だと言われてからも、3ヶ月。未だに物は来ないし、連絡も一切なし。どうなってるのでしょうね?

厚労省のページに行ってみると、
「4月1日より順次配送を開始、5月末現在、配送は概ね完了しました。」
そうです。

【質問】
配布を希望したのに1枚も届いてないのはどうしてですか。

【回答】
多数の配布希望があったため、国内でマスクとして活用することが明確な配布希望を優先することとなり、それ以外の申出(備考欄に「ガーゼとして使用」「海外に配布」と記載されている場合等)については、配布対象外とします。
また、厚生労働省が指定した様式以外で申出を行った場合(メールにエクセルファイルが添付されていない、手紙等)や、申出内容に不備がある場合(名前・住所のいずれかが入力されていない等)も、配布対象外となります。
加えて、自治体・団体・介護施設等の申出については、より多数の配布希望を優先するため、必要枚数が100枚未満の場合、一律的に配布対象外となります。

との記事もありますが、私は「①自己/家族使用」としたし、名前住所入りのエクセルファイルだし、1000枚頼んだのだし。なぜ配布対象外なのか理解できません。メールアドレスも伝えてあるのだから、「送れません、ごめんね」くらいのメールがあってもいいはずですよね。

今さら、あれこれ言っても仕方ないし、他の方が使っているのであれば、良しとして、この件は終わりにしましょう。それにしても、頼りないですね。

本来なら、希望者に配布ではなく、布マスクを、2年前のような緊急時のために国家備蓄(保管代の安い場所で)しておいてほしいと、思っているのですが、そういうことにならないようなので、社会のための国民備蓄です。

布マスクは、廃棄するほどに無意味なのか?


大体が、布マスクが、これほどおとしめられていることを、大変不当に思います。不織布マスクにくらべて布マスクが効果ないと言われていますし、それは政府としても正式な見解になっているようです。果たしてそうなのでしょうか?

私自身は、体験的に何となく、布マスク派なのです。というより、眼鏡をかける者として、不織布マスクは、曇ってしょうがないので(ティッシュとか、ワイヤとか、いろいろやってみてのことです)、布マスクを着けています。不織布マスクは、眼鏡に向けて、息が漏れてしょうがなく、そのため、曇りが激しいのです。これは、理論ではなく、事実なのです。こんなスカ漏れ不織布マスクを、なぜこれほどありがたがるのか? どうしても納得できないので、布マスクだめ説の根拠を、探してみました。

根拠らしい3つの研究を検討していきます

結局、科学的根拠としての研究らしいものは、3つしか見つかりませんでした。

<1>東京大学医科学研究所の研究
新型コロナウイルスの空気伝播に対するマスクの防御効果(東京大学医科学研究所)
<2>国立大学法人豊橋技術科学大学の研究
 コロナウイルス飛沫感染に関する研究 ~マスクの効果と歌唱時のリスク検討~
<3>Low-cost measurement of face mask efficacy for filtering expelled droplets during speech
EMMA P. FISCHER ,MARTIN C. FISCHER, DAVID GRASS,ISAAC HENRION ,WARREN S. WARREN ,AND ERIC WESTMAN らによる
SCIENCE ADVANCES • 2 Sep 2020 • Vol 6, Issue 36

の3件です。いろいろ探してみましたが、公表されているものとしては、この3件しか見つかりませんでした。

ところが、この3件の研究は、よく読んでみますと、実に問題の多い研究だったのです。「やっぱりね」と、思いました。私の実感に間違いはなかったと、自信を深めました。

この研究の発表を直接読んでもらえれば一番なのですが、面倒くさいと思われる方のために、布マスクと不織布マスクとの問題を中心に、まとめてみました。

以下、少し解説します。こまごまとして、読みづらいかと思いますが、ご辛抱ください。

<1>東京大学医科学研究所の研究

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)を使っての計測です。後の2つは水のミスト(飛沫)を使ったものなので、これが一番本格的です。

図1 BSL3施設内に設置したウイルス噴霧チャンバー
左側のマネキンの口からSARS-CoV-2が噴出されチャンバー内に拡散する。右側のマネキンには人工呼吸器が繋がれており、吸い込んだウイルス粒子はウイルス回収装置に捕集される。

いかにも、実験らしい、あり得ないような状況が設置されています。ケチばかりつけてもしょうがないので、1点、ここまでキチンとマスクを着けての、実験だったということです。このことは、後で、述べる<2>の実験の結論=不織布マスクは着け方いかんで効果は大きく変わる、に絡むことです。

言い換えれば、街で普通に見かける着け方では、不織布マスクの優越性は現れない、ということです。

実験の結果が、以下のようにグラフにされています。英語論文の方が、グラフが充実しているので、そちらのグラフを使いました。ただし、グラフのラベルについては、日本語を貼り付けています。「N95(fit)」というのは、強力なN95マスクを、テープを使って、きっちりと着けたものです。「外科用マスク」と書かれているものは、上の写真の様な、かなり本格的な不織布マスクだろうと、思います。不織布の使い捨てマスクとは違うようですが、その辺の情報はありません。

以下の4つ図の、棒の下の数字は、ウイルスの吸い込み量を、マスクをしていない場合を100としての%数を表しています。1桁までの有効数字が書いてありますが、3回やっての平均値ですから、そこはあまり気にしないで、かなり大雑把に受け止めた方が、良さそうです。

以下の4つ図には、青で表わされているもの(左軸)と、茶色で表わされているもの(右軸)があります。次の引用を参考にしますと、左の青軸が(2の)感染力のあるウイルスの数右の茶軸が(1の)感染力のあるなしに関わらないウイルスの数、を示しています。単位のことは省くとして、数字は常用対数(Log10)ですので、1.0大きくなると、ウイルスの数は10倍になります。

以下は、「FAQ : セルバイオラボ(Cell Biolabs)社 ウイルスによる遺伝子デリバリーについて」からの引用です。

ウイルスの力価の単位には、VP/mL、TU/mL、ifu/mL、pfu/mL など様々なものがありますが、これらの違いは何ですか?

1.物理的な力価は、厳密にどれくらいウイルスが存在するのかを測定し、1mL あたりのウイルス粒子の数で表します(VP/mL)。

2.機能的な力価は、感染力価と同義で、どれぐらいのウイルスが実際にターゲット細胞に感染するのかを測定します。機能的な力価は、トランスダクションユニット(TU/mL)、プラーク形成ユニット(pfu/mL)、感染ユニット(ifu/mL)で表され、ウイルスベクターに依存します。機能的な力価は、実際にどれくらいウイルスがターゲット細胞に感染するかですので、正確な測定であると言えます。

https://www.cosmobio.co.jp/support/qa/qa/cellbiolabs-faq-6.asp#anc03

以上、説明しましたように、

左の青軸(及び青棒)が感染力のあるウイルスの数

右の茶軸(及び茶棒)が感染力のあるなしに関わらないウイルスの数です。

主に布マスクと、外科用マスクの比較でみていきます。

上のB図は、ウイルスを持っている人がマスクをしていないで、マスクをしている人に伝染る場合です。(感染力のあるウイルスの数が、ウイルス全体の数に比べて、この図だけ、グラフの目盛りを変えてあるほど少なくなっています。理由は書かれていませんが、弱いウイルスに当たったのかも知れないですね)

下のC図は、ウイルスを持っている人がマスクをして、マスクをしていない人に伝染る場合です。

B図では、外科用マスクの方が、感染力のあるウイルスの吸い込みを防ぐのに、やや効果がありそうです。C図では、逆に布マスクの方が、感染力のあるウイルスの吐き出しをよく防いでいるようです。


上下DEの図は、どちらもマスク(上図Dは感染者が布マスク、下図Eは感染者が外科用マスクです)をしている場合です。こちらのほうが、日本の現状にふさわしいケースだと思います。

上のD図では、布マスクと外科用マスクでわずかな違いがありますが、ほぼ同じと考えるべきでしょう。

E図では、外科用マスクの方が、感染力のあるウイルスの吸い込みを防ぐのに、わずかにより効果がありそうです。


上の4つの図を読む限り、布マスクは「外科用マスク」(普通に売られている不織布マスクとよりはガシッとしたものです)に比べ、少し劣る程度に過ぎません

しかも、布マスクの方が、優れている場合もあります。誤差範囲を考えると、ほぼ同等と思われます。

誤差範囲の問題を考えてみました。次の図は、上の4つの実験の基準となっている、マスクをしていない者同士の場合のグラフだけを取り出したものです。上の4つの実験は全て、ウイルス吐き出し量は同じ、間隔も同じ50cmですので、左図の中央(50cm)を比較に使います。こうして、同一条件=マスクなしの者同士のデータが5つ揃ったことになります。0点は合わせてあります。全て同じ数字になるはずなのに、結構バラバラです。同一の条件のもので、これだけ誤差が出るのです。Log10で2.4と2.6では普通の数字では、1.6倍くらいに違うのです。そういうものとして、今までの図も読み取ってください。

同一条件のはずなのに、バラバラの数値

こういうことですから、上の4つ(BCDE)の図の、布マスクと不織布マスクの差は、誤差範囲と見ることができます。

また、次のようなことも、書かれています。検出しやすいように高濃度(SARS-CoV-2 droplets/aerosols 5×100000PFU)で実験したが、実際に近い濃度に近づけようと薄めていったところ、ウイルスを検出できない程になった、と。 (5×100000PFUが、どの程度高濃度で、感染者と現実に接触する際の濃度が、どれくらいなのか、さっぱり分かりませんが)

このことはマスクにはウイルスの吸い込みを抑える働きよりも対面する人への暴露量を減らす効果が高いことを示唆しています。さらに、ウイルスを吐き出す側のマネキンに布マスクまたは外科用マスクを装着させ、吸い込む側のマネキンに各種のマスクを装着させると相乗的にウイルスの吸い込み量が減少することがわかりました。
上述の実験では定量性を確保するために高濃度のウイルスを噴霧して解析を行いました。

COVID-19感染者の呼気に含まれるウイルス量が不明であるため、噴霧するウイルス量を段階的に減らした実験も行ったところ、布マスク、外科用マスクならびにN95マスク着用時においてマスクを透過した感染性ウイルスはいずれも検出限界未満でした

上の4つの図の左軸1.0にある点線辺りが、検出限界のようです。

この論文の結論は、

マスクを密着させて適切に着用することの重要性の理解と、マスクの防御効果への過度の信頼を控え、他の感染拡大防止措置との併用を考慮する等の感染拡大防止に向けたガイドラインの作成に役立つことが期待されます。」

というものです。不織布マスクを特に推奨しているものではありません。むしろ不織布マスクは布マスクにくらべて、「適切に着用すること」がかなり難しい、というのが実態でしょう。そういう意味では、実験に使われた外科用マスクにはるかに及ばない使い捨てマスクよりは、実験に使われた外科用マスクと互角の布マスクを、(布マスクは適切に着用しやすいものですから)適切に着用することの方が、はるかに効果がある、と実験の結果からは言えるのではないでしょうか。

この研が、もし布マスク処分の根拠となっているのであれば、とんでもない勘違いと、言わざるをえません。

<2>国立大学法人豊橋技術科学大学の研究

水のミスト(飛沫)を使っての計測と、コンピューター・シミュレーションです。

この研究は、つくづく読みましたが、なかなか分かりにくく、苦労しました。その理由は、まるで、他の批判を許さないかのように、実験の実態が示されたおらず、しかも、実験値とコンピューターによるシミュレーション値をごっちゃに扱っているためだ、ということが分かりました。

例えば、この研究の趣旨として、

「定量的な報告の多くは、マスクに用いられる素材性能の評価であって、実際にマスクを着用した場合の評価でない点が問題であった。そこで人工的に飛沫を生成する装置または実際に人がマスクを着用した状態におけるマスクの効果を定量的に評価した。」

と、ありますが、下の写真を見てもらえば分かりますように、実際に人がマスクを着用してのことではなく、マネキンにマスクを被せているのです。万事がこの調子で、現実とシミュレーションが入り組んで、非常に分かりにくいものとなっています。「マスクとして利用したときは、顔とマスクの隙間からの漏れが問題、実効的な飛沫抑制効果が不明」と書いてあるのは、正直というか、そこが本来の課題じゃないの?と、突っ込みたいところです。

次の図は、実験結果をグラフにしたものです。しかし、「フィルタ―の特性よりも顔とマスクの隙間の影響が大きい、同じ形状でフィルターの異なるマスクを用いて影響を評価」ということですから、結局、マスクではなく、それぞれの素材から実験用フィルターを作り、隙間がないように機械に当てて、測定したものだと、思われます。下・左の図の Δp 圧力損失が、マスクの評価にどのように使われるのかは分かりません。下・右のグラフをさらに拡大したものを、その下に表示しました。

上・右のグラフを拡大して回転したものが、下の図です。「顔と隙間の影響」は除いてあるようなので、それぞれの素材を一定の大きさに切って、機械に取り付けて、多分実際に計測したのでしょう。

N95のマスク効果が100なのではなく、N95を100としての相対的な効果として描かれているのだと、思います。ただ、0がどういう意味なのかの説明もありませんので、多分、機械に何も被せなかった状態での数値ではないかと、思われます。

また、これが飛沫吸い込みの抑制効果なのか、吐き出しの抑制効果なのか、書かれていません。

不織布マスクが7種類あるようですが、これほどのバラツキの理由が書かれていません。布マスク3種類についても書かれていません。いずれも、どういう種類のものなのか、全く分かりません。Yシャツ1枚にも劣る布マスクとは、一体どのようなものなのでしょうか? 薄いハンカチ1枚で作られたものかも知れませんね。その辺のことについて、何の説明もありません。スポーツマスク、というのは、この後出てくるウレタンマスクのことだと思います。

そうしたことの結果として、「富岳による解析」を経て、「各種マスクの性能評価結果」が、次の図にされました。飛沫の抑制効果とは書いてありますが、実測値なのか、シミュレーション値なのか、どちらもなのか、注釈はありません。(多分、自分たちの思い込みで、適当に数字を混ぜた結果でしょう) また、図が飛沫吸い込みの抑制効果なのか、吐き出しの抑制効果なのかも、書かれていません。

布マスクは、9種類に増えています。不織布マスクも、9種類になっています。このバラツキが、種類によるものか、測定結果のバラツキによるものなのか、も、言及はありません。それにしても、N95マスクより息苦しい不織布マスクが、本当にこれほど多いのでしょうか? N95マスクより息苦しいスポーツマスク、ということも、さっぱり分かりません。息苦しい方が、性能が劣るというのも、理解しづらいですね。しかし、何の説明もありません。この辺の説明こそが、研究の課題だと思うのですが。

しかも、「顔とマスクの隙間の影響」については、排除されたままです。

そして、最終的に次のような効果が、絵で描かれています。

いきなりウレタンマスクが出てきましたが、前述しましたスポーツマスクのことだと思います。布マスクは、可愛らしい手作りマスクとして描かれています。最大の問題は、コンピューター・シミュレーション値と実験値を並べて書いていることです。天気予報で日々体験している通り、シミュレーションは必ず現実によって裏切られるものなのです。だからこそ、実測・実験して現実に近づこうとするのです。それを並列して、実測したものよりシミュレートしたものの方が効果がある、と言える感覚が理解できません。「今日は晴れる予定だったのに、雨が降っているのは間違いだ!」と、叫ぶようなものです。不織布マスクがなぜ実測できなかったのかを、はっきり、詳しく説明することが、最重要のことだと思います。

実測できたものについては、「顔とマスクの隙間の影響」が、一定程度反映されているかもしれません。(多分、きちんと着けた場合、ということでしょうか、推測に推測を重ねるばかりです) しかし、シミュレータしたものについては、「顔とマスクの隙間の影響」をどう処理したものか、全く分かりません。「顔とマスクの隙間」を最小として、または0として、計算しているのかもしれません。隙間のさじ加減で、結果はどうにでも出せる、ということですね。これでは無意味な数字としか、言えません。

「不織布マスク: フィルター性能(飛沫を95%程度カット) マスクとして利用したときは,顔とマスクの隙間からの漏れが問題  実効的な飛沫抑制効果が不明」という点を、もっと詳しく、研究、説明してほしいものです。「不明」だからシミュレーションに逃げた、ということであれば、この研究全体が意味を失ってしまうでしょう。シミュレートした数字が、いくら富岳で出されたものであろうと、前提の「不明」をかければ、答えは「不明」というのが正しい答えです。

とはいえ、この発表の結論は、

「マスクは素材によって性能と付け心地が異なる。日常生活の全てにおいてマスクを着け
続けることは難しい。運動する場合や比較的換気の良い部屋、逆に多くの人が集まる通勤
電車など様々な状況が考えられる。その時々の状況に合わせて無理のない範囲で、可能な
限りマスクを着用する人が多いことが感染抑制につながる
と考えられる。」

というものです。結論自体は妥当だと、思います。少なくとも、布マスクをやめて、不織布マスクに限るべきだ、とは言っていません。それにしても、頭が変になりそうな発表でした。

これだけのことをいうのに、富岳まで持ち出す、この大げさな仕掛けが、果たして必要だったのでしょうか?

<3>Low-cost measurement of face mask efficacy for filtering expelled droplets during speech(発話中に放出された液滴をフィルタリングするためのフェイスマスクの有効性の低コスト測定)

これにつきましては、英文だけですので、グーグル翻訳のお世話になりました。

「オペレーターはフェイスマスクを着用し、暗い箱の中で拡張されたレーザービームの方向に話しかけます。携帯電話のカメラで記録されたレーザービーム散乱光を伝搬する液滴の数を、単純なコンピュータアルゴリズムを使用して、カウントします。」

というやり方です。マスクの吐き出し抑制効果を測っています

手作りマスクの比較をしています。市販のマスクが欠品だった頃、手作りマスクがいろいろ現れましたが、それを素材別に比較しているのです。

研究の趣旨と結論は、

「一般的に利用可能なさまざまなマスクタイプを比較し、一部のマスクタイプが標準的なサージカルマスクの性能に近づく一方で、ネックゲートルやバンダナなどの一部のマスクの代替品では保護がほとんどないことを確認しました。」

というものです。テストしたマスクの写真があります。うれしいですね。

以下が、上図の説明です。

マスク、名前	説明
(google日本語翻訳による)
1、「外科」*	サージカルマスク、3層
2、「ValvedN95」	呼気弁付きN95マスク
3、「ニット」	ニットマスク
4、「ポリプロピレン」	2層ポリプロピレンエプロンマスク
5、「ポリ/コットン」	綿-ポリプロピレン-綿マスク
6、「MaxAT」	1層MaximaATマスク
7、「Cotton2」	2層コットンプリーツスタイルマスク
8、「Cotton4」	2層コットン、オルソンスタイルのマスク
9、「Cotton3」	2層コットンプリーツスタイルマスク
10、「Cotton1」	単層コットンプリーツスタイルマスク
11、「ネックゲートル」	単層ポリエステル/スパンデックス、0.022 g / cm 2
12、「バンダナ」*	二層バンダナ、0.014 g / cm 2
13、「Cotton5」*	2層コットンプリーツスタイルマスク
14、「フィットN95」	N95マスク、呼気弁なし、装着
「スワス」	マスク素材のスワス、ポリプロピレン
"なし"*	対照実験、マスクなし
を比較しています。

測定結果が次の図です。「ポイントとエラーバーは、それぞれ、対照試験(マスクなし)に対して正規化された総液滴数の平均値と分布SD(標準偏差)を表します。」とのことです。<2>の発表に比べて、格段に信頼性が感じられますね。

マスクの種類は、上の、翻訳された表の番号を頼りにして、読んでいってください。

ただ、
1,「外科」* サージカルマスク、3層 だけについては、市販のものを使用したみたいです。
2と14のN95については、「バルブ付きN95マスクの性能は、外向きの気流で開く呼気バルブの影響を受ける可能性があります。バルブは着用者の保護を損なうことはありませんが、着用者の周囲の人の保護を低下させる可能性があります。それに比べて、バルブなしのN95マスクの性能ははるかに優れていました。」 と書いてあります。(実際は、バルブなしのN95マスクは大変息苦しく、長くは着けられないものでしょう)

また、市販の出来合いのサージカルマスクを基準として、手作りマスクを比較しているので、コットンマスクと言っても、アベノマスクのような、何層ものガーゼで作られたものを対象としているわけではないので、ちょっとピンボケです。

それでも、平均値(マスクをしていない人を1として、抜けた水滴の数)でサージカルマスク0.08に比べて、2層コットンマスクで0.16程度ですから、驚くほど健闘しているとも言えます。吐き出し抑制効果は、あまり生地の種類を問わない、と言えるのかも知れません。

同じく、この研究が、布マスク処分の根拠にはならない、と言わざるをえません。

以上、3つの研究をまとめますと、

いずれの研究も、布マスクが廃棄するほどに効果ないものだ、とは言っていない

ということだと、思います。ましてや、せっかく備蓄してある布マスクを、安価に保管し続けることも追求しないで、早く処分した方が良い、なんてことは決して言ってません。

布マスクは、反安倍のために消されていく

以上が、布マスク処分の理由となっている研究なのでしょうか? 上記3つの研究によっても、布マスクは不織布マスクを圧倒するほど優秀ではないとしても、さほど劣らぬ効果がある、と考えられます。

布マスクには、着けた時の快適さ(マスクをベタベタ触ることが少ない)、鼻、喉の保湿効果もあります。保湿は、ウイルスに対する抵抗力を高めることにつながります。ウイルス感染防止効果は、ウイルスを体に入れない、洗い流す、抵抗力を高める、などの総合力です。

また、マスクの着け方、隙間からの漏れが、マスク効果に重大な影響を及ぼすことも、上記の研究が示唆しています。布マスクは、息のほとんどが布を出入りしますが、不織布マスクは、逆にほとんどが隙間から出入りします。(眼鏡をかけて、不織布マスクでの曇りに泣いている私の実感です) 総合的なウイルス感染防止効果では、私個人としては、むしろ、はっきり布マスクの方に軍配を上げます。

研究をまともに検討しない野党やマスコミの、安倍憎しのつまらぬ反対で、布マスクが処分されていくのかと思うと、誠に残念で、断腸の思いです。布マスクが届いたら、次の活躍の機会まで、国民備蓄として保管しておきます。(布マスクは洗って使えるので、手元には、新型コロナウイルス騒ぎが終わるまでに使い切れないほど、あるのです)

この際ですので、言及しておきます。布マスクの洗濯に、合成洗剤を使うのは避けましょう。

合成洗剤による洗濯の、部屋干し臭(残留洗剤を餌にして細菌が繁殖する結果です)でよく分かるように、合成洗剤は一度付いてしまうと、すすいでもなかなか取り除けません。
合成洗剤で汚染されたマスクを鼻、口の前に着けることは、合成洗剤を吸い込むことになります。
肌に触れてアレルギーなどを起こす合成洗剤を、より取り込みやすい鼻、口の粘膜、肺に送り込むことは、大変危険だと思います。
過炭酸ナトリウムを使った洗濯をおすすめします。過炭酸ナトリウムは、過酸化水素と炭酸ナトリウムの結合したものですから、洗って干して、残留を心配するのはナトリウム分だけです。極微量のナトリウム分は、全く無害です。ナトリウムは食塩と同じことで、極微量の食塩は、全く無害です。過酸化水素は、殺菌作用があり、ウイルスを非活性化させる作用があります。すすぎ残っても干せばなくなってしまいます。
(ちなみに、私は、600gくらいの水に、過炭酸ナトリウム3gくらいを入れ、そこにマスクを浸して、1、2時間くらい放置、その後、手洗いで押し洗い、すすぎ、脱水、干しています。かなり濃いめだと思いますが、耳当てゴムがすぐ駄目になって困る、ということはありません。)

手を洗うように、喉や鼻も洗って新型コロナウイルスを予防

さらに付け加えれば、研究から分かったように、どのようなマスクも完全ではありません。しかし、マスクをくぐり抜けたウィルスを、喉うがいや、鼻うがいで洗い流す習慣をつければ、マスクをくぐり抜けたウィルスなど、怖がる必要はありません。ウイルスは、すぐに検出限界以下になります。

(本ブログの、喉うがい、鼻うがいのカテゴリーをクリックして、覗いて見てください)

手を洗うといっても、石けんで手が真赤になるほど洗う必要もなく、水だけでしっかり洗えば、鼻・喉にウィルスをうつすようなことは、なくなります。ついでに、帰ってきたら清潔なオシボリで顔を拭くという、良い習慣も復活させましょう。

外から帰ってきたら、一般的な、安い目薬をさして、目を洗うようにもすれば、完璧です。ウイルスは、手からではなく、目、口、鼻から入ってくるのですから。

最後に、布マスクの方が効果的だからと、「不織布マスクでなければダメ」な所に、あえて布マスクで行かないでください。争いになれば、もしかすると新型コロナウイルスの掛け合いになるかも知れません。かえって、リスクは増します。いずれにせよ、効果に大した違いはないのですから、仲良く、穏やかな方を選びましょう。布と不織布と、2つ用意して、ケース・バイ・ケースで使い分けるといいですね。

コメント