粉末食品をサラサラにーシリカゲル再生のうまいやり方

家事・台所

食品用の乾燥剤には、基本的に2種類あります。
1,生石灰
2,シリカゲル

です。

1の生石灰は、海苔によく入っています。これは、家庭では再生できませんし、普通の使い方だと、最後まで働いてくれます。
ここでは、2のシリカゲルを再生する方法を探る話です。

湿気やすいものを再生シリカゲルでサラサラに

スパイスなど、穴の開いたふりかけ容器に入っているものが湿気て、振っても出にくくなった、瓶入りのものの中身が湿気て、色やにおいが変わってきたーというような経験はありませんか?

例えば、↓の記事で紹介しましたVCNa(ビタミンCナトリウム)は、夏は美味しい水に、冬は簡単湯ざましに大活躍してくれます。1回にはほんの少ししか使わないので、ハーブの容器などを転用し、振りかけられるようにして使っています。しかし、湿気てくると振っても出にくくなります。さらに湿気ると酸化されて変色したりします。
VCNaやVC(ビタミンC)は、このように酸化されやすいために、水の中のカルキを中和してくれたり、体の中で酸化防止の働きをしてくれるのですが、使う前に変色しているようでは困ります。

VCNaと一緒に、容器の中によく乾いたシリカゲルの小袋を入れておくと、最後までサラサラ、気持ち良く使えます。水を入れる前に、さっと一振り、水道水は美味しい水に早変わり。冬は、そのまま電子レンジで少し温めて、美味しい湯ざましに。

湿気やすいものは、冷蔵庫に入れておくと、湿気にくいのですが、冷蔵庫の扉をいちいち開け閉めするのも大変なので、外に出しておきたいものもあります。例えば、焼き塩、クエン酸、味の素、とか。
その際に、シリカゲルの再生が簡単にできると、大変役立ちます。

費用対効果については、大いに疑問だが

まあ、いずれにしても、あまり一般的なものではないので、この記事自体が大抵の方には無意味かもしれません。しかも、それをかなりの費用(5000円くらい)をかけてやろう、ということですのです。ごめんなさいね。

でも、上述の品物に限らず、シリカゲルの小さな袋を、再生できたらなあ、と思っている方には、ぜひ読んでいただきたいと思います。

例えば、小袋入りのシリカゲル除湿剤は、よく店でも売っています。買ってきた大袋を開けて、小袋を一つ取り出して使ったとして、次にもう一つ使おうと思うと、(どんなにキチッと閉めていても)それは湿気てしまっているのです。しかも、最初の一袋さえ、パリパリに乾燥しているとは思えません。

シリカゲル除湿剤を使いこなしたいと思えば、再生を避けて通ることはできないように思います。

片手鍋(雪平鍋)とクリップシーラーが必要

乾燥剤としてのシリカゲルは、電子レンジあるいはフライパンなどで加熱することにより、細孔内部の水分を蒸発させることが可能であるため、この加熱処理により再利用が可能となる。

ウィキペディア

などと言われていますが、電子レンジもフライパンも、今ひとつです。(後述)

最終的に、片手鍋(雪平鍋)とクリップシーラーを使うことに行き着きました。それでも、まだまだ手間がかかります。初期費用も少しかさみます。しかし、小さなシリカゲルの袋をリセットして、湿気をもらいやすいものを入れた容器に放り込んでおく便利さを考えると、どうしても諦めがたいものがあります。以下、紹介したいと思います。

湿気で傷みやすいものがある

例えば、他の記事(上述)で紹介しています、ビタミンCナトリウム(あるいはビタミンC)。食品添加物グレードの粉末のものだと、安くて助かるのですが、湿気やすく、その結果、変質して色が変わったりしてします。

クエン酸は、ビタミンCほど変質しやすくはありませんが、ベタベタしてくると、スプーンなどに付きやすく、扱いにくくなります。

焼き塩は、もともと湿りにくいものですが、(それほど沢山使うこともないので)長い期間置くと、サラサラ出てくれなくなります。

などなど。他のものに入っているシリカゲルを取り出した時、加熱してリサイクルし、そうしたものの容器に放り込みたい、と思うものです。実際、入れてみると、最後までサラサラとして、うれしくなってしまいます。ベタベタして、あるいは、固まって困っていたアレにも、コレにも入れてみたくなってしまいます。

フライパンは、油あるいはコーティングが心配

さて、では、フライパンで、うまく再生できるでしょうか?

フライパンは、通常炒め物に使うものです。シリカゲルと接する面には油があります。油はシリカゲルに吸収されてしまいます。

フライパンにアルミホイルを敷いてやる、という方法もあるかもしれませんが、小さな小袋のシリカゲル再生にとって、大げさすぎる話です。また、アルミホイルの下から煙が上がりそうだし。

また、テフロン加工のものでシリカゲルを再生しようとすると、過熱のためにテフロン加工をダメにしてしまうので、避けるべきです。

ありあわせのフライパンを使いたい、という気持ちはよく分かるのですが、実際は無理ではないでしょうか。

電子レンジでのリサイクルは、電子レンジに悪そうに思う

電子レンジはどうでしょうか? 私は、実は、始めは電子レンジでやっていました。

一番最初は、袋のまま、電子レンジで加熱したのですが、水分が袋から出ていかないので、いくらやっても、青くなってくれません。思ったほど簡単なことではない、ということが分かりました。

次は、陶器のマグカップにシリカゲルだけを入れて、電子レンジへ。シリカゲルから出た水分で、シリカゲルがコップにこびり付いてしまうので、最初は早めに取り出して、振ったり、かき混ぜたりする必要があります。意外と手間がかかるものです。

こびり付かなくなったところで、ほんの少量のシリカゲルを、振り振りしながら、しっかり青くしていくのですが、ほとんど水分がない状態で、電子レンジを作動させていて、何か、電子レンジの寿命を縮めているようで、心配になってきました。
確かに、火花が散るようなことはありませんでしたが、どうしても電子レンジの正しい使い方とは思えません。

一つ二つだけならまだしも、日常的に継続してやれることとは思えません。シリカゲルの再生で電子レンジを壊すことになっては、余りに情けない・・・。

片手鍋でうまく行った

そこで、片手鍋(雪平鍋)を、ステンレスの一番安いものを買ってきて、それで焼くことにしました。いわば空焼きですから、アルミニウムだと、熱で変質(酸化)して、最悪、穴が開いてしまうと思うので、酸化に強いステンレスにしました。ステンレスだと、変色しても、焼けて穴が開くことにはならないでしょう。

やってみると、ガスレンジの安全装置が働いて、すぐに極弱火になってしまうのが難点ですが、水分はどんどん飛んでいくし、シリカゲルをしっかり焼けている、と実感できます。

鍋に比べて余りに微量です

二度焼きで

これでも、やはり、最初はシリカゲルの湿気が出てきて、鍋にこびり付きやすいので、最初は鍋をしっかり振り振りします。すぐに、付かなくなります。

また、火が強いと、シリカゲルがはぜてしまうので、弱火の遠火で炒ります。

最初は、湿気と共に、シリカゲルが吸着している物質のにおいが出てきます。このにおいがしなくなったら、シリカゲルの乾燥は、かなり進んでいる、と考えられます。

青色がはっきり出てきたら、一旦火を止めます。待っている間にも水分は飛んでくれます。特に、飛びにくい中心部の水分がゆっくりと出ていきます。2,3分後に、再度焼いて、仕上げます。色と、におい(異臭が飛び去っていること)を確認します。

空焼きで鍋は変色(場合によっては変形も)してしまいます。安い鍋を選びましょう。100円ショップにも店によっては、あるみたいです。シリカゲルは大変軽いものですから、一番小さな16cmが使いやすいです。


焼き上がったシリカゲルは、なるべく早く冷ます

鍋に入れたまま、のんびり冷めるのを待っていると、シリカゲルは、また湿気を吸い込んでしまいます。熱の伝わりやすい容器に移して、早く冷まします。

例えば下図のような、ステンレスの計量カップなどは、最適です。少しやりづらいですが、小さなステンレスボウルという手もあります。シリカゲルの量が多くて冷めづらい場合は、容器の下に濡れ布巾を敷くと、早く冷めます。

スギコ 18-8 ステンレス 計量カップ ビーカー SH-552 300cc
冷めたシリカゲルを小袋へ

最初に、シリカゲルが入っていた袋の口をハサミで切って、取り出したと思います。この袋に再度入るようなら、これを使います。袋が小さ過ぎるようなら、別に、もう少し大きな袋を用意します。(後述)

小袋に先が入るようなジョウゴを使って、シリカゲルを、こぼれないように入れます。

シリカゲルの直径があるので、あまり細いジョウゴだと、詰まってしまいます。大きいほど楽ですが、大き過ぎると、先が袋に入らなかったりします。
使いやすい大きさのジョウゴを手に入れるのに、また少し費用がかかるかもしれません。

小袋の口をシーラーで閉じる

シリカゲルの入った袋の端を、シーラーで閉じます。

↓のようなクリップシーラーが便利ですが、少し高いです。この費用が最大の難点です。でも、シリカゲルをせっかく乾かしても、袋に入れて閉じなければ役に立ちません。


食品ですので、ボンドや、ホッチキスを使うわけにもいきません。このクリップシーラーは、他のこと(薄いプラスチックフィルムなどをくっつける)にも使えますので、あれば何かと便利です。

しかし、たかがシリカゲルの小さな小袋のために、この値段のものを? 悩ましいところです。

シリカゲル用の小袋を作るには?

シリカゲルを入れてある袋は、当然、湿気を通すのですが、特殊な透湿性のフィルムが使われている、というわけではありません。普通のポリエチレンフィルムなどに、小さな穴が開けてあるのです。(目が悪いもので、このことが分かるまで苦労しました)

元の袋が小さ過ぎる場合は、食品用のフィルム(食品が入っていた袋)を適当に切って、縫い針を使って小さな穴を開けると、代用できるのです。一枚ものだとしても、シーラーがあれば、切って、折って、開放面をシーラーで接着していけば、立派な袋になります。

お茶パックにシリカゲルを入れるという手もあると思いますが、完全には閉じないため、粉やシリカゲルの出入りが防げません。糸で吊るすとか、蓋に接着させるとか、かえって手間がかかります。(なお、お茶パックに入れてからシーラーで閉じる、という方法もあると思いますが、お茶パックは目が荒くて多くて、粉食品が入って来やすいものです)

食品の粉がついて、再生シリカゲルが黒くなることも

袋の小穴からは、湿気が入りますが、食品自体も入ってきます。シリカゲルがそれとくっついてしまいます。再生の際に、この食品が焦げて、シリカゲルを黒くしてしまいます。

この黒いのは、炭なので、しかも、袋の中に閉じ込められるので、私は、気にしないで使っています。でも、これが気になるかどうかは、人によって分かれるところです。粉ではない食品だと、こうはならないので、粉食品に使ったら捨てることにする、というやり方もあると思います。

食品以外にも再生シリカゲル

湿気を嫌うものは、一般食品では、湿気る前に早めに食べるに越したことはありません。しかし、食品以外にも、湿気を嫌うものはあります。

思い付くものでは、ある種の接着剤、苛性ソーダ、精密機器、衣替えで片付ける衣類など。シリカゲルを入れさえすれば大丈夫、というわけではなく、シリカゲル以外の工夫も必要ですが、再生シリカゲルは役立ってくれるものです。

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