米ぬかが良いのは分かっていますが、残留農薬が心配ですね。農薬は白米部分よりもぬか部分に残りやすいと、言われています。そうなると、やはり、無農薬米のぬか、となります。
栄養豊富な米ぬか
こういう特殊な商品となると、楽天は強いですね。このような米ぬかを見つけて、買いました。(画像では説明文で「米」となっていますが、米ぬかで間違いありません) 煎りぬかにしてみました。大変美味しくいただけました。
米ぬかとご飯の栄養成分を、比べてみました。
以下は、文部科学省の食品成分データベースを利用したものです。
一般成分に加えて、無機質、ビタミン類を含めたものです。ただし、含有量0のものは除くなど、一部加工しました。
白米こそが米のカス
見ての通り、米ぬかは、米のカスではなく、栄養的には米のエキスと言えます。特に、食物繊維、ビタミンE(トコフェロール類)は、圧倒的ですね。ビタミンEには抗酸化作用があり、そのおかげで、米ぬかは傷みにくく、長持ちします。冷凍庫で米ぬかを1年くらい保存していたことがありましたが、最後まで全く問題なしでした。他の食品では考えられないことです。
米は、糖質制限では敬遠の対象ですが、米ぬかは糖質制限の頼りになる味方なのです。米に含まれている糖質以外の栄養成分は、全て、たっぷり、米ぬかに含まれているのです。
食品成分データベースに捏造の疑い!
ところで、上に引用しました食品成分データベースですが、どうも、ご飯(めし/精白米/うるち米)の食物繊維の値が大き過ぎるのではないかと、思うのです。うるち米について、穀粒などのデータも集めてみました。上の表と同じく、ご飯(めし/精白米/うるち米)の食物繊維は、1.5なのですが、全体を一覧すると、明らかに、その値が大き過ぎます。
うるち米・精白米・穀粒(普通の米粒)の水分は14.9(%)です。これがめし(普通のご飯)になりますと60.0(%)です。水分が4倍に増えただけなのに、食物繊維が3倍に増える、というのは、どう考えても変です。
玄米、半つき米、七分つき米は、ばらつきはあっても、全て、ご飯にすると、食物繊維は半分近くに減少しています。ご飯に炊けば、水でふやけてしまうと考えると、当然です。精白米だけが、なぜ、ご飯に炊くと、食物繊維が3倍に増加するのでしょうか?(しかも、玄米よりも多くなるなんて!)
水分を除いたもので考えますと、米粒の時、100g中に水分以外のものは85.1gあり、その中に食物繊維は、0.5gあります。めし100g中には水分以外のものは40gです。米粒(100×40/85)=47gを炊くと、めし100gに炊き上がる、となります。米粒47gには食物繊維が47×0.5/100=0.23g含まれています。米粒が水(水道水に食物繊維は無い)でふやけただけですから、食物繊維は同じ0.23gとなるはずです。
元の米粒中の食物繊維0.23gが、ご飯にすると、なぜ1.5gに増えてしまうのでしょう? 1.5-0.23=1.27gの食物繊維は、どこからやって来るのでしょうか? 米を研いだら食物繊維が増えるなんて、ありえません。むしろ洗えば、微量とはいえ減って当たり前です。7倍の水増しとは、とんでもない話です。
ご飯は、「主食」の重要な位置をしめています。「主食を強調する立場から、0.23gでは足りないから、水増ししておけ」なんてことは、ないですよね? でも、私はそれもありではないかと、思ってしまいます。ごまかされないようにしましょう!
ご飯の代わりに米ぬかを
糖質制限のためにご飯を抜く(減らす)のは良くない、という根強い意見があります。ご飯の効用として、糖質は血糖値スパイクにつながるので、弁護する人は少なくなっているのですが、食物繊維を取れることは、まだ根強く強調されています。(ここにも上述の捏造の動機があります)
上の表では、それぞれ100gあたり糖質が、米ぬか 28.3g、めし(精白米) 35.6g となっています。「なんだ、大して変わらないじゃない」と、思われるかもしれませんが、炊いたご飯100gは、ペロリと食べられますが、乾いた米ぬか100gなんて食べ切れるものではありません。具体的に、詳しく見ていきましょう。
話がややこしくなるので、この際、食品成分データベース(食物繊維 めし1.5、ぬか21)を信じないで、めし100gには食物繊維が0.23g含まれているとして、以下話を続けます。
ご飯1杯=150gには、食物繊維が150×0.23/100=0.3g含まれます。米ぬかで同量の食物繊維を取るには、0.3÷(21/100)=1.4g だけでOKです。
このご飯1杯には、糖質(35.6×150÷100=)53.4g(3.6gの角砂糖14.8個分)が含まれます。同量の食物繊維が含まれる米ぬか1.4g には、糖質(28.3×1.4/100=)0.4g(3.6gの角砂糖0.1個分)だけが含まれます。
米ぬかは、ティースプーン山盛り1杯で3gくらいですから、毎日、米ぬかを1杯食べると、ご飯10杯分の食物繊維を取れることになります。米ぬかスプーン1杯3gでは、糖質は0.8g(3.6gの角砂糖4分の1個)になります。ご飯1杯の(35.6*150/100=)53.4g(3.6gの角砂糖14.8個分)に比べると極小です。
煎り米ぬかを食べてみると、かなり甘くて、少し悔しいですが美味しいです。牛乳200cc中の糖質9.6gに比べても少ないです。ご飯をやめて米ぬかを少し、でどうでしょうか?
ご飯やパンの「効用」は、糖尿病のものすごい広がり、新型コロナウイルスのまん延で、(逆の意味で)証明されていると思います。また、フレイル、介護(これらはタンパク質不足で筋肉が萎縮してしまうためです)のことなどで、ご飯中心の食事ではタンパク質の摂取が大変不足することも、証明されています。
ご飯、パンをやめて、その代わりに少量の米ぬかを食生活に取り込むのはどうでしょう? タンパク質系、油脂系、野菜(糖質の少ない葉物野菜)、をしっかり食べた後に、煎りぬかを少々どうぞ。---良さそうですね。少なくとも、ご飯よりも圧倒的にお安くついて、しかも健康的です。
私は、1日にスプーン3杯程度の煎りぬかを習慣にしていますが、お通じもよく、年1回の健康診断も「異常所見なし」で、日々快調に過ごしています。
ぬか煎りのコツ=中休み
生ぬかには、微生物の心配もあります。また、煎った方が美味しいので、必要分を煎って、冷蔵庫に保存しておきましょう。
何のコツも必要ない、煎るだけ、と言えばそれまでですが、この間の経験で、少し分かってきたこともあります。
弱火で竹しゃもじ
弱火で、ぬかをかき混ぜながら、煎っていくのですが、このかき混ぜのためには、竹しゃもじが最適です。高温になりますので、プラスチックは使えません。金属のものはうるさいし、鍋を傷めます。竹しゃもじとぬかの組み合わせで、焦げないようにかき混ぜていると、生ぬかが煎りぬかの香ばしさに変わってきます。幸福のひとときです。
ぬかを冷凍庫から出して(1回に200~250gくらいが、やりやすいかと思います)、鍋に移し、煎り始めるのですが、ぬか全体がかなり温まったところで、火を一旦止めると良いです。放置時間は20~30分くらいが目安でしょうか。中休みを入れないと、鍋とぬか、ぬか内部での温度差が大きいので、焦げた割には、よく煎れていない部分が残る、ということになりやすいのです。
火を止めている間に、ぬか全体の温度差が縮まり、ぬかの水分もかなり飛びます。火を使う時間も短縮できます。楽で、省エネです。
香ばしさが煎り上がりのしるし
再点火して、弱火で煎っていき、良い香りがしてくれば終了です。
色については、お店に並んでいるぬか漬けの元が参考になるかと思います。しかし、おこげはできるだけ避けたいと思っている方は、香ばしさを感じるようになったら、色は薄めのまま、早めにおしまいにした方が良いかと、思います。
浅煎りということで、色はほとんど変わらないうちに、香りだけを頼りにして、終了としてみました。すぐに、ぬかを山盛りにしてその中心部(やや底の方)の温度を、調理用温度計で測ってみました。102℃まで上がりました。殺菌温度としては十分すぎるほどですね。それでも、元のぬかと比べてみると焦げ色が、少し付いていました。超浅煎り=煎りぬかの良い香りがし始めてきたら、すぐ中止、で良かったのかもしれません。
火を止めても鍋はまだ熱いので、ぬかは焦げていきます。冷めるまで混ぜ続けても良いのですが、鍋ごと濡れ布巾の上に、1分くらい置いて、かき混ぜ冷ますと、それ以上の焦げを心配しないですみます。
さらに放置して、充分冷めたら、保存容器に移して冷蔵庫に保存しておきます。ビタミンEのおかげで、1月くらいは平気です。
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