いちごは、今まで何本も枯らしてきました。真っ赤な花びらのルビーアンを見て、これほしい、と思い、買ってきました。想像以上に素晴らしいイチゴ、ルビーアンでした。
ところが、残念なことに、今度は枯らさないから、と決意した、と言いながら、ルビーアンも枯らしてしまいました。
肥料のやり過ぎで枯らしたのだと思ってきましたが、実は、この枯らしの原因は、苦土石灰を入れ過ぎて、土がアルカリ化しているためためかもしれない、とも思うようになりました。雨が当たらないベランダでは、何かと苦土石灰、は害にしかならないみたいです。(詳しくは後述)
たいていの本やウェブサイトでは、「肥料が必要」「苦土石灰を入れて」とあり、いい調子で入れ続けて、あげくに、いちごも生きていけない土になってしまったようです。
この記事は、様々な困難を乗り越える、ルビーアンの栽培記録シリーズとして、下へ、新しい観察を書き加えていきます。そのため、新しいものは、下になります。(目次をご利用ください)
その後、ルビーアンは2代目、3代目も枯れてしまいました。土が強酸性だったためでした。現在4代目で、これは順調です。
ルビーアンを育てている方に、参考、反面教師となればと、まだの方には、育ててみようかな、と思ってもらえれば、大変な幸せです。散々な結果ですが、記録として残し、雪辱を果たしたいと思っています。
- 1代目
- 2代目、3代目は強酸性の培養土で枯死
- 4代目
1代目
2022/5/18 買ってきて、植えました

実がいくつか着いていましたが、全部切り取りました。少しでもエネルギーを根作りに回しているくれるように、と思い。1つあった花は残しました。
農林水産省品種登録ホームページで調べてみますと、登録はされていないようです。でも、この真っ赤な花のいちごを作った人の気持ちと、売り出した人の気持を、とてもうれしく思います。
ネットで少し調べてみますと、酸っぱ過ぎて捨てた、という人もあるらしいです。苗に付いていた札にも「花も楽しむジャムいちご・・・ 実は酸味があり、小粒ながらたくさん採れるのでジャムに向きます」と書いてあります。実は、以前、甘すぎるいちごに、辟易したことがあります。と言っても、甘すぎるからと、捨てたのではなくて、枯らしてしまったのです。それは土のアルカリ化のためだった、ということが、今では分かります。
店頭のいちごも、しっかりした酸味のあるものが好きです。ルビーアンの酸味も、私が好きになれるものだったらいいなあ、と思っています。酸っぱくて美味しいのが、いっぱい取れたらうれしいなあ!
翌日には、きれいな花びらが、全部落ちてしまいました。受粉して実をつけるのでしょうか?

さらに、翌日には、萼(がく)がすぼんできました。実作りに入ったのでしょうか? 今まで、いちごでこういうことは、なかったような気がしますが。最初なもので、全てが感動です。

続報をお楽しみに。
6/4 新しく伸びてきたツボミが咲きました
植えた時には見えなかったツボミが、奥の方から伸びてきて、今朝、花開きました。ルビー色ですね。率直にうれしいです。

花の中心(花託(かたく))の膨らみが、大きいです。買ってきた時に付いていた花から膨らんできている実と比べると、よく分かります。その花託に、たくさんの雌しべが見えますが、雄しべは下の方に少しだけみたいです。受粉のために、筆でなでてみました。

花のままでいてほしい気もありますが、美味しいいちごを成らせてほしいとも思います。
6/11 また花が咲きましたが、かなり様子が違います
今度は、普通っぽく、雌しべはこじんまり、雄しべがしっかり伸びています。鮮やかな花色がうれしいです。

先に咲いた花は、閉じて、実を作り始めているようです。どでかい実になるのですかね?

6/13 花の香り
いちごの実の香りは、おなじみで、たまらなく食欲をそそります。
しかし、ふと鼻を花に近づけてみると、何やら香ります。バラとは違うのですが、それに近いような。また、近づくと分かる感じも、バラに似ています。でも、もっと香水に近い、強さのある香りです。いちごもバラ科ですが、まさか、このように香るとは思いませんでした。美しい花色に加えて、香りまでおまけで付いているとは、ルビーアン、うれしいですね。
実も順調に大きくなっています。いちご、甘いか酸っぱいか? (身の回りの平和な日常が、うれしいです。ウクライナにも、このような平和が1日も早く訪れますように。)
6/19 真っ赤になった実をいただきました
3日前くらいから色づいてきた実が、暑さの中で、真っ赤になってきました。熟れすぎて傷んでも良くないかと思ってしまいます。早すぎるのか、遅いのか、なんせ、初めてのことです。思い切って、切り取りました。

いちご特有の甘い香りは、少ししかしません。とにかく、さっと洗って、パクリ。
・・・ 微妙ですね・・・。甘さが少し、酸っぱさはやや多め。酸っぱすぎてつらいというわけではありませんが、旨味が多いというわけでもありません。実の小ささのせいか、あっさりと、あっけなく。甘いか酸っぱいかに、意識が集中していたこともあり、味をみる余裕がありませんでしたね。なんせ、小さい。
それにしても、歯に軽く当たるような固さが残っていました。何か、ミニトマトのように、歯で噛み破ったよう・・・。袋の部分が口に残る、というわけではありませんが。収穫が早すぎたかも知れません。とにかく今日は、初物75日、ということでお祝い。
以前書いた、花の大きさ、花託の様子の違いは、5個くらい咲く花房の1番花が、花も花託も大きくて、特別だということみたいです。その後に続く花は、雄しべが目立つ花になるのです。何か、役割分担がありそうです。
7/9 黒く、柔らかくなった実を食べました-甘くて酸っぱい
初物から20日、今度は赤を越して(赤くなり始めてから1週間くらいでしょうか)、黒くなった実をいただきました。今回は、色ではなく、触って柔らかくなってから食べようと思っていました。毎日触っているもので、傷みはしないかと心配していましたが、指で触って、確かに柔らかい、と思えるものが、潰れることもなく、収穫できました。
鼻に近づけて見ると、いちごの甘ったるい香りが、かなりします。が、色は、いちご色ではなく、ほとんど黒。野生に近い色なのでしょう。

洗って、ヘタを取って、パクリ。
はっきり言って、甘いです。前回とは違って、甘くて、酸っぱい、いちごの味が確かにします。「とちおとめ」などには、もちろん勝てませんが、いちごとして食しても、満足できるおいしさです。待っていて良かった!
でも、やはりと言うか、パクリと噛んで、皮がパリッと破れて、中が中空のような感覚があります。皮の中は中空なのでしょうか? もう一つ、少し早めですが、収穫して、包丁で切ってみました。

中空ではありません。しっかり実があります。皮の固さと中身の柔らかさとのコントラストで、中空のように感じるのですね。(これは、早過ぎて、甘さも酸っぱさも弱くて、おいしくありませんでした。やっぱり完熟いちごですね。)
ランナーは出て来ない
今(7/9)は、花が止まって、実だけが大きくなっていってます。普通のいちごでは、今の時季だと、ランナーがどんどん伸びてくるものですが、このルビーアンには、出てきません。ジャムにするだけ増やすのは、簡単なことではなさそうですね。増やすつもりは、ないのですが。
7/16 実は柔らかくなりすぎたか? 甘い!
「食べるのは十分熟してから」と、黒くなった実を横目に見て、3日位。指で触ってみると、柔らか過ぎたかな? という感じになりました。さっそく食べると、甘い! 酸味はほとんどありません。でも、何か、少し干しいちごのような感じがしないでもありません。
もう少し早い方が良かったかな。でも、十分熟させれば、ジャムではなく、生いちごとして、立派にいだだけるルビーアンだということは、はっきりしました。外側が固くてパリッとするような感じもありません。
花は止まっています。秋風が吹くまでお休みかな? これも楽しみ。
8/5 真夏に咲くルビーアン
夏の土用、元気に花を咲かせています。

相変わらず、ほふく茎は姿を見せません。株分けできそうな感じで、ジワジワ横に広がっています。
9/16 たくさんの花が咲き、美味しい実が結ぶ
秋になって、ますます元気に花も実も付けています。あんまり沢山の花を次から次へと付けるので、面倒くさくなって、筆による授粉をしていません。しかし、花が咲いたら確実に実になっています。季節もあるのかもしれませんが、ルビーアンには人工授粉は不必要なのかもしれません。

黒くて柔らかくなる前ですが、右の真っ赤な実を食べてみました。甘みの勝った酸っぱい感じです。初夏の実よりもずっと美味しく感じます。黒くなった実よりは、ジューシーで、美味しいと思います。
(その後、分かってきたことですが、実の全体が真っ赤になって、指でつまむと、少し柔らかさを感じるようになったら食べ頃のようです。)
根がしっかりできてきたからでしょうか。季節のせいでしょうか。「ルビーアンの実は酸っぱいので、ジャムにしかできない」、とは、もう言わせません。ありがとう、ルビーアン。
土の表面が鉢の縁から、かなり下がってきています。植え替えて、下に土を足そうかと、思います。

9/26 植え替えて土を足しました
植え替えて、下に土を足すにしても、時期はいつが良いのでしょうか? ネットで調べても、それらしい答えはありません。このまま冬を迎えるのも、良くないか、と思い、エイッと植え替えました。
鉢から出してみると、根の伸び方が、あまり良くありませんでした。この記事の最初に書きましたが、いちごは、何本も枯らしてきました。(これを植えるのに使った土も、アルカリ性の土だったのでしょう。ずっと、肥料のやり過ぎのせいだ、と思ってきましたが、後日、土のアルカリ化で、わがベランダ菜園は泣いていたことがわかってきました。↓後知恵ですが、諸悪の根源は、ここにあったのでした。-2024年3月)
状況が厳しかったので、余計に花と実を沢山付けていたのかもしれません。植物には、そういうところがあります。
回りの土を少し落とし、水洗いした土を足して、同じ鉢に植え直しました。花と実はすべて切り落としました。

切り取った花を嗅ぐと、甘さに爽やかなハーブ系の香りが加わった香水ような、強めの香りがしました。元気出して、頑張ってね、ルビーアン!
10/22 花と実を沢山つけて来ました
植え替えたのが良かったみたいで、元気に、花を咲かせ、実をつけています。株元を覗くと、やはり、ランナーはなく、3本に分けつしています。

春、夏、秋と花実をつけたルビーアン。四季成りということで、冬もこれが続くのでしょうか? さすがに、冬はお休みになるのでしょうか?
11/9 種まきしてみました
種が一杯付いた美味しい実が収穫できたので、その種をピンセットではがして、土にまいてみることにしました。芽が出て、ルビーアンになるのでしょうか?

10粒、数えて、ピンセットでつまんで、土の上に置きました。好光性種子ということで、土はかけませんでした。スプレーで霧をかけて、種を濡らし、乾燥防止のために、穴を開けたラップをかぶせました。

11/20 芽が出てきました
おお、種まきから11日、双葉が開いていました! 他にも殻がついたままで、頭を上げているものも、何本かあります。

まだ殻をかぶったものが2つ、頭を上げているのが写っています。
イチゴといえば、実も種も(少し変な言い方ですね)区別することなく、ムシャムシャ食べていますが、あの小さな粒の種が、本当に芽を出すんですね。感動です。愛着がわきます。
秋も深まっていますが、今もルビーアンは、赤い実をつけます。まだ緑色のものも、後に控えています。(花もまだ付けようとしますが、実を優先させて、小さなつぼみは切り取っています)甘くて、少し酸っぱくて、店頭に並んでいるイチゴに負けない美味しさです。大きさでも負けません。根もしっかりできてきたので、充実した実をつけることができるのでしょうか。ルビーアンは、酸っぱすぎて、ジャムにしかならない、という噂は、完全な誤りだと思います。
ただ、野性味のためか、種が、目立って付きます。つい、まいてみたくなるのです。
ほぼ1本生き残り
殻をかぶったままだったものが、いつの間にか消えてしまいました。殻から抜け出すのが、けっこう大変みたいです。下は、2023/1/10の写真です。寒さのせいもあり、なかなか大きくなりません。結局2本、でもほぼ1本だけ成長しています。

春になってから、蒔き直した方が良いみたいです。そのつもりなら、種は実に一杯ついているので、いつでも蒔けます。でも、そう沢山増やしてもしょうがないので、しばらく、このまま様子を見てみましょう。その後、土が悪かったのか、寒さのせいか、枯れてしまいました。春に、再挑戦してみましょう。(今だから言えるのは、これも土のアルカリ化のためだったのでしょう-2024年3月)
2023/1/10 寒中に花開く
寒中とはいえ、南向きベランダの暖かさのせいか、それとも、本当に四季咲きなのか、花を沢山つけています。(同じ科のミニバラも花を咲かせ続けていますから、バラ科の四季咲きと言えば、少し暖かければ、咲き続けるのでしょう)

花の軸が、秋までのものに比べると、かなり短くなっています。季節のせいでしょうか。それとも。一年近くたって、慣れてきたせいでしょうか。
お正月には、真っ赤になっていた実を、美味しくいただきました。こうして、一年中楽しめるのですね。
ランナーについては、やはり出てくる気配がありません。
3/27 植えて2年目の春、花だらけと喜んでいたら・・・終了
花が咲くにまかせていたら、ものすごい数の花と実になりました。これでは実も小さいです。摘果しないと。
葉も実の軸も、あまり伸びません。そのため、よけい、ごちゃごちゃしています。

いやはや、世話が簡単で、楽しみの多いイチゴです。
と、喜んでいたら、何の事はない、この花だらけは、土のアルカリ化で、ルビーアンが生きづらくなってきて、種を残して次世代にかける、という必死の戦略だったのです。可哀想なことに、実(種)を着けることもできずに、この後、ルビーアンは、枯れてしまいました。種から出た芽が枯れてしまったのも、土のアルカリ化のためだったのでしょう。
他の事情もあり、アルカリ化した土は、すべて処分し、新しく買った培養土と、苗で新規まきなおしとなりました。(実は、この新しい培養土が、大変な食わせ物だったのです)
2代目、3代目は強酸性の培養土で枯死
この新しい培養土が最悪で、この2代目と次の3代目も枯れてしまったのです。あまり役に立ちそうもない話なので、2、3代目の話はパスします。
培養土のpHのことについては、↓をお読みください。
4代目
2024/11/7 また苗を買いました
ということで、最初の苗購入から2年半後の2024年11月、ルビーアンをあきらめきれず、また苗を買いました。
強酸性の土も、消石灰や苦土石灰、カキ殻をせっせと入れて、秋野菜はうまく育つようになりました。これを確認して、ルビーアン、今度こそ大丈夫だと思って、また苗を注文しました。

生育中に、土がまた強酸性に振れてはいけないと思って、カキ殻を多めに入れて、植えました。
11/13 着いていたツボミが開きました
苗に着いていたツボミが開いて、きれいな赤い花が咲きました。今度は自信があるので、花はこのままにして実になってもらいます。

12/13 葉は元気にドンドン、花も実も
今までと違うのは、葉の色が濃く、新葉が続々出てきていることです。実は大きくなり、3つ目の花が開きました。香水のような香りは、1代目と同じです。

植えてから1ヶ月と1週間ですが、葉はツヤツヤ、数も増えています。12月に入ってから急に寒くなってきたので、成長は遅くなりましたが、元気な様子です。
こうやって冬も花を咲かせ、実になっていくのでしょうか。なんて働き者のイチゴなのでしょう。
2025/2/1 2つ目の実をいただきました
始めから着いていた花から実になったものは1月早くに食べてしまいました。今日つまんだものは、その後に咲き始めた花が、実になったものです。

甘くて、少し酸っぱい、美味しいイチゴでした。今冬は寒さ厳しく、成長は遅いですが、花だけでなく、葉も下から盛り上がるように、着実に増えています。花の軸もすうっと伸びています。今まで(一昨年 2023/1/10の様子は、こちら)とは違います。今から考えると、一昨年(1代目)は、肥料の効きすぎで枯らしたように思います。(2、3代目の枯死は文句なしに、強酸性培養土が原因です。)
現在、肥料は、液肥を3~4000倍くらいに薄めたもので、ほぼ毎日水やりしています。(使用している液肥の標準倍率は500倍~1000倍で、週1回) 固形肥料は使っていません。濃すぎて根を傷めることもなく、しかも、いつも肥料が効いているので、ルビーアンには良さそうです。(他の花や野菜にも良さそうです) 「いつ肥料を入れるか」「今日は水だけか、液肥か」とかも、考える必要がないので、気楽です。
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